ゆめぎわ

さくらこちゃんのメモ

君の名は。

とても美しいラストシーンに「かつてあった街、今はなくなってしまった風景に、なぜこんなにも胸を締め付けられるのだろう」的なモノローグと共に東京の街や様々な風景が流れていくようなカットがあり(具体的な台詞は違うけど、だいたいそんな感じ)、きっとこの台詞が新海監督の「君の名は」をつくったきっかけ・テーマの一つなんだろうな というふうに見える。思い出は場所に宿る、いまわたしたちが生活しているすべての風景は自然にかなわずいつかは消えてなくなってしまうのだという儚さが新海監督らしいのだけど、そういった新海監督の自然や人間のスケール感というか大きな価値観を、災害や災害を救う少年少女のヒーローや安直なSFや恋愛みたいな固い箱に詰めてしまうと、災害に大小問わず関わり何かを思った人々に対して非常に失礼な感じになってしまうのが絶妙に、なんというか、、、隕石落下にモチーフは変更されてはいるけれど今の日本で災害を描くとほぼ東日本大震災を重ねていると言っているようなのもので、そういった配慮ができない点が新海監督の幼稚さというか底の浅さであり、大きな欠陥に感じた。君の名は以前の作品においては底の浅さが内面に向くためプラスに働いていた印象だったので全然別物に思えた。新海監督のインタビューなどはなにもみていないので本当にわたしの考えすぎかもしれないけど、、

絵はめちゃめちゃ上手く美しくシンプルな良さがあり素晴らしいし、RADWIMPSの音楽をMV的に挿入するのもとても良くて、作画や演出に関しては本当にクオリティの高いアニメ映画ではあるけど……、集中して最後まで見れるテンポの良さとか、2人の男女の絶妙なすれ違いとか、技術的には素晴らしいんだけどなあ、、という感じで、見るたびにちょっともやもやしてしまう

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